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【クライアントに言葉の意図が伝わらない】
私は、臨床心理士かつ公認心理師なので、「得意な分野は何ですか?」と聞かれたらすぐ「心理学です」と答えています。
ですが、「心理学」と答えると、「人の心が操れる」「人の心が読める」というふうに勘違いされるクライアントさんが非常に多くいるのには驚きます。
それでも「心理学をビジネスに活かしてください」程度ならばなんとか書けますが、「恋愛で必ず彼女ができる必勝法!」という感じになってくると、それはちがうのではないか…と思わざるをえません。
そのような齟齬をきちんと確かめずに話を進めていくと、テーマを与えられたときに「あれ、ちがう…」という話になっていくのです。この誤解をきちんと確かめずにいると、自分が書きたいと思う文章からはほど遠くなる、ということになってしまいます。
私としては、伝えたいことはこんなことじゃないんだけどな…という気持ちになりますし、そうなってしまうと、何で副業ライターやっているのだろう…という気持ちに陥ってしまいます。
【実際の失敗談~確認不足から起きた齟齬~】
実際に私の失敗談としては、具体的な読者や、クライアントの意図を確認しなかったことによる、確認不足から起きた齟齬というのがありました。
その方は、個人名で募集をかけていたので、Googleなどで調べれば、どんな本を書きたかったのかわかったはずです。
それを怠ってしまったがために、私の文章はなんだかちがったところで使われてしまった感じでした。
そのクライアントが誰にこの文章を読ませたかったのか。
そのクライアントが想定したターゲット層はどこだったのか。
そのクライアントがどんなことをこの文章から伝えたかったのか。
それを確認し忘れたために、私はカウンセラーとしての『聴き上手』の話だと思って書いたのですが、そうではなく、クライアントには『モテる要素』としての『聴き上手』としてとらえられてしまっていました。
その齟齬があったためなのか、クライアントからの評価もあまり高くなく、お互いに「何かちがうな…」という感じになってしまいました。
私としては、決して『モテ本』に使われるつもりはなかったのですが…。
そんな釈然としない感じが残ってしまいました。
【教訓から得たこと】
それ以後、私は必ず、しつこいくらいにクライアントに以下のことを確認するようになりました。
(1)誰に向けて書いてほしいのか。ターゲット層はどこか。
(2)どういう意図で私に何を書いてほしいのか。
ここをすり合わせしないと、著作権を失った自分の文章が、意図しないことに使われてしまいます。
それは避けたいですし、専門家倫理としてもそこはどうしてもゆずれない線です。
確かに、「お金のために」と割り切って、クライアントの意図に迎合していく方法もあるとは思います。
その方がもしかしたら、ライターとしては上手い生き方なのかもしれません。
ですが、「専門家ライター」を目指す私としては、どうしても釈然としません。
自分の納得のいく仕事をするためには、クライアントとの齟齬がないよう、しっかりと「確認」を徹底することが、お互いに気持ちよく仕事をしていく秘訣なのではないかと考えています。
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