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200万部突破ベストセラー著者による文章入門
古賀 史健さんというお名前を見ても、「あのライターさんね」とピンと来る人は少ないかもしれません。
しかし『嫌われる勇気』というワードを見れば、印象的なブルーの表紙がパッと浮かび、「あのベストセラーね!」となる人は多いのではないでしょうか?
今回ご紹介するのは、『嫌われる勇気』の著者、古賀 史健さんが書かれた文章術の本です。
200万部を突破した『嫌われる勇気』。
実際に手に取られた方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。
あの本が大ヒットした要因は、内容はもちろんですが、アドラー心理学の研究者である岸見一郎さんの言葉を丁寧に引き出し、わかりやすく噛み砕いて文章にした、古賀さんの文章力によるところも大きいのではないでしょうか。
私も手にとったときは「最後まで挫折せずに読めるかな」と不安でしたが、スルスルと読み進めることができました。
あんなわかりやすい文章を書きたいと思われた方は、手にとって損なしです。
起承転結ではなく、起『転』承結という提案
『みんなが書き手になる時代のあたらしい文章入門』は、noteを運営するcakesの「スマート新書」シリーズの中の1冊。スマートフォンサイズで、約100ページと少なめなのが特徴。
スマホと並べて撮影してみました。
カバンに忍ばせていても、まったく邪魔になりません。(そしてカバンに常に入っているので、写真の本はボロボロです……)
この本には、わずか100ページの中に、思わずうなりたくなる比喩がたくさん登場します。
文章を書く行為→「ドライブ」
文章の論理構造→「マトリョーシカ」
文章の構成→「カメラワーク」
読みづらい文章→「野菜ジュース」
などなど……「一体どういうことなのだろう?」と興味を惹かれないでしょうか。
これらの秀逸な比喩のおかげで、紹介されている文章術がより読む人の記憶の引き出しに残りやすくなっているのです。
そして「あたらしい文章入門」最大のポイント。
それは、国語の授業で習った「起承転結」ではなく、「起転承結」を提案していることです。確かに始めの数行で「これは自分には関係なさそう」とすぐに離脱されやすいWebの時代において、転=つかみはとても重要ですよね。
なかなか実践するのは難しいですが、このあたらしい四字熟語を頭に入れておくだけでも、書く文章が変わってきそうです。
また、取材するうえでの心構えも紹介されているので、取材ライターを目指す方にもおすすめです。「経験不足のライターさんほど、なぜあれだけの話を聞いてきたのに、わざわざここを原稿にするんだと思わずにいられない」という部分は、耳が痛いです……。
プレゼントにもおすすめな一冊
私がこの本を手にとったきっかけは、以前勤めていたベンチャーのCOO(副社長みたいなものです)からのいただきものでした。スマート新書の別の本を買ったときに、Amazonのおすすめで表示されて、私のことを思い出してくれたとのこと。
500円と気を遣わせない値段で、かつ荷物にならない。
まさにスマートなプレゼントだと感動したのを覚えています。
大事なところに線を引こうとしたら、全てのページが塗りつぶされてしまいそうな1冊。ともに切磋琢磨しているライター仲間へのさりげないプレゼントとしても、喜ばれること間違いなしです。
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