間違えやすい日本語表現②助詞「てにをは」を省略しすぎかも?!

間違えやすい日本語表現②助詞「てにをは」を省略しすぎかも?!

ライターとして、間違えやすい日本語表現を知っておくのは、とても重要なことです。知らず識らずのうちに間違った表現を使ってしまうことは、多々ありますからね…。

数多くある日本語表現のなかで、今回は助詞について触れていきたいと思います。ネット記事をいくつか読むと、助詞が省略された文章をかなりの頻度で目にします。

【誤】Aくんからの伝言は、聞いたことない話だった。
【正】Aくんからの伝言は、聞いたことない話だった。

以上のように、助詞「の」が省略されているのです。どうして、このように助詞を省略する現象が起きるのでしょうか。

 

 

Contents

助詞「てにをは」の役割とは?

はじめに、助詞の役割について触れておきたいと思います。言葉と言葉をつないで、意味の肉付けをする。それが助詞の重要な役割です。語と語との関係を表現したり、微妙なニュアンスを伝える役割も、助詞が担っています。

それにもかかわらず、助詞が省略されていることは多々あります。極めて重要であるのに省略してしまいがちなのです。それでは、助詞を省略すると、どのような弊害が生じるのでしょうか。

 

 

助詞「てにをは」を省略するとどうなる?

助詞を省略した文章は、どのような弊害を生むでしょうか。読者に対して大きな損害を与えることはないものの、以下の2点において残念な結果をもたらします。

1.稚拙な文章になる

内容がカジュアルなものであれば、100歩譲って良しとしましょう。ただし、政治や経済、法律、教育など、記事の内容が堅めのものである場合、助詞抜きのフレーズは文章を稚拙なものに転じさせます。

文字をしたためて、文章を世に発信するライターである以上、正しい日本語を使っていきたいものです。必要最低限の知識と心得て、これを機に助詞の使い方を習得してはいかがでしょうか。

 

2.読み手に違和感を与える

助詞を省略した文章は、読者に「なんだか変な感じがする」という違和感を与えてしまうことがあります。何が変であるのか的確には分からないれど、なんとなくおかしい気がする…。あなた自身も、文章を読んでそう感じたことはありませんか?

助詞の省略は、そのような「ちょっとした違和感」の1つになり得ます。書き手として、この現象は避けていきたいですね。そのためにも、よくある間違いパターンを知り、語彙を正しく表記できるようにしましょう。

 

 

助詞が省略されているNG例

それでは、よくある間違いをNG例としてあげていきます。あなたは、普段これらの表記を用いてライティングしていないでしょうか?

【誤】今まで見たことない、立派な絵画だ。
【正】今までに見たことない、立派な絵画だ。

【誤】ベテランライターのように自由に書けない。
【正】ベテランライターのように自由に書けない。

【誤】やる気と根性だけで文章は書けない。
【正】やる気と根性だけで文章は書けない。

【誤】彼のことは、ライター初心者だと思っていなかった。
【正】彼のことは、ライター初心者だと思っていなかった。

【誤】文書を書くコツを、いまだ掴めていない。
【正】文書を書くコツを、いまだ掴めていない。

【誤】毎年4月1日を迎えるたび、嘘をつかれないかドキドキする。
【正】毎年4月1日を迎えるたび、嘘をつかれないかドキドキする。

【誤】新しいことに挑戦するのは、若いうちしか出来ない。
【正】新しいことに挑戦するのは、若いうちしか出来ない。

【誤】来月まで受講代金が支払われなければ、解約となります。
【正】来月まで受講代金が支払われなければ、解約となります。

いかがでしょうか。無意識のうちに使ってしまっている表現はありませんか?文章を書き、発信する側となる際は、これらの表現に気をつけましょう。

 

 

助詞の省略において注意しなければならないこと

助詞が省略されているNG例をあげてきましたが、この「助詞の省略現象」において伝えておきたいポイントが3つあります。

助詞の省略における3つのポイント
  1. 話し言葉では省略してもOK
  2. 書き言葉での省略はNG
  3. 省略できる助詞もある

 

1.話し言葉では省略してもOK

「来週の飲み会、どこ行く予定なの?」
「何食べたい?」
「とりあえずビール飲もうよ!」

これらの表現では、いくつかの助詞が欠落しています。正しい表記としては、以下のとおりです。

「来週の飲み会、どこ行く予定なの?」
「何食べたい?」
「とりあえずビール飲もうよ!」

助詞が省略されていますが、注目すべき点はこれらが全て話し言葉であることです。話し言葉における助詞の省略は、頻繁に起こりうることであり、特に問題があるとは言えません。

話し言葉において助詞を気にしすぎると、かえって不自然な日本語になってしまう場合もあります。話し言葉においては、それほど気にしなくてもよいでしょう。

 

2.書き言葉での省略はNG

さきほど述べたとおり、話し言葉における助詞の省略は、特に問題ありません。しかし、書き言葉に関しては、しかるべき箇所に助詞を用いる癖をつけましょう。

記事を執筆する際や、仕事相手にメールを送る時、物事を広く周知するための文書を作成する際には、特に注意したいところです。書き言葉において助詞の省略が許されるのは、友人とのやり取りのみだと心得ておきましょう!

 

3.省略できる助詞もある

助詞の中には、省略できるものもあります。それは、以下の2パターンに当てはまる場合です。

所属を表すとき

【助詞なし】東京大学経済学部経営学科の1年生
【助詞あり】東京大学経済学部経営学科の1年生

助詞「の」を何度も使わなければならないため、少々うるさい表現になってしまいますよね。この場合は、助詞「の」を省略することが通用とされます。

 

名刺+名刺で1つの名刺になったとき

【助詞なし】全自動洗濯乾燥機
【助詞あり】全自動洗濯乾燥機

【助詞なし】足つぼマッサージ
【助詞あり】足つぼマッサージ

これらのように、2つ以上の名詞が結び付いて1つの名詞となっている場合もあります。この場合は、助詞「の」を省略できます。むしろ、「の」を省略するのが一般的だと言えます。

以上のように、助詞を省略できる場合があることも知っておくと良いですね。

 

 

助詞「てにをは」を正しく使って記事を書こう!

たった1つの助詞で、日本語のニュアンスは微妙に変化します。「会話で用いるのはOK、でも、文章として用いるのはNG」といった日本語表現は、他にも数多くあります。

あまり神経質になりすぎるのも良くないことですが、知識として正しい使い方は知っておきたいですね。これを機に、助詞を正しく使えるライターになりましょう!

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